さ、6話です。
幻影ヲ駆ケル太陽 episodioⅥ『星とともの果てに』 あらすじ
プリシラとメルティナのチームの闘いに参加したせいらは、ダエモニアの声を聞くあかりの行為が、無意味で殲滅の邪魔になると訴える。そんな中、せいらはぎんかと出かけた先で、偶然二人の少女と出会う。見た目こそ正反対だが、とても仲の良い二人の様子を見て、せいらは親友だった真美のことを思い出す。
『星』の使い手、星河せいらのメインエピソード回となります。
ショッキングなシーンもあるため、視聴者には特に印象に残る話です。
また、あかりとせいらは「ダエモニアへの対応」という点について明確に立ち位置が違っているために、どう折り合いをつけていくのか。そんなエピソードでもあります。
—
プリシラ、メルティナとの共闘
色んな戦い方が知りたくて。
せいらはエティアの許可を得て、先輩であるプリシラ、メルティナの二人に指導を受けます。
せいら「二人とも連携が取れてスムーズ。殲滅に迷いがない。」
新人部隊の時とは違い、今まで通り殲滅に集中すれば良いため、せいらは戦いやすいと答えます。
逆にプリシラに新人部隊のことを聞かれると、
自分の仕事をするだけで、チームだと思ったことは一度もない。と。
そして本題。
プリシラ「そんなにあかりがダエモニアの声を聴くのが嫌なの?」
せいら「意味ないです。戦いの邪魔だし。それに、ダエモニアになる人間に、同情なんて・・・できない。」
早く見つけて確実に、殲滅する。せいらの信念です。
理由は過去に、ダエモニアに親友を殺されてしまったから。
先に書いてしまうと、今回の敵はこの信念に真っ向から否定するダエモニアです。
その時のせいらは、どのような行動を選択するのでしょうか。
また、せいらはあかりを嫌っているわけではありません。
声を聴くという、ダエモニアに寄り添う行動をとることを意味がないと判断しています。
せいらと真美、実里と花苗
※真美(まなみ)、実里(みのり)、花苗(はなえ)、です。
筋トレグッズを買いに来たせいらとぎんか。別の学校に通っている花苗と実里と出会います。
ぎんか「実里は、星にこだわりがあるんやなぁ」
花苗「この子、昔から星のことになると夢中になりすぎちゃうところがあって」
せいら「好きなことがあるのは、良い。」
ぎんかはいつもとは違う反応をするせいらに驚きます。
—
星のモチーフが好きだという実里。その実里と親友の花苗。
せいらと実里の共通点は、『星』です。
実里と花苗の関係は、せいらと真美の関係と似ているように印象付けています。
—
—
花苗、実里と別れた後、ぎんかはせいらに伝えます。
ぎんか「今日のせいらは、いつもとちゃうな。普段他人と同調するなんてめったにないやろ?それも初対面の子に。珍しい♪」
せいらは「そう・・」と一言。奥へ歩いていきます。
星河せいらと小野寺真美
せいらの部屋には、一つだけ筋トレグッズ以外のモノが飾ってあります。
アルパカのぬいぐるみ。ただのぬいぐるみではありません。
せいらには、かつて小野寺真美という大切な友人がいました。
その真美の誕生日のプレゼントとして贈ろうとしたものですが、結局渡すことは叶いませんでした。
渡そうとしたその当日、ダエモニアの出現と共にせいらは『星』の使い手として覚醒。
真美を見つけるもどうすることもできず、ただ一方的に攻撃を受けるのみで
近くにいた真美も狙われ、不幸にも亡くなります。
この反省からせいらはダエモニアを一途に嫌い、訓練を重ねてダエモニア殲滅に執着することになります。
真美のことを覚えているのは自分だけ。
せいらにとってこのぬいぐるみは、真美のことを忘れないように。
信念を貫くため、自分を律するためのアイテムとして機能しています。
せいら「真美。今、私ができるのは、ダエモニアを殲滅することだけ」
—
—
間違えて入ってしまった実里の携帯電話を返却するため、せいらは花苗、実里と再び会う約束をしますが、再会の場で実里が胸を手で押さえ、倒れてしまいます。
病院で一命を取り留めるも、花苗から話を聞くせいら。
実里は昔から心臓が弱く、ドナーを待っている状態で、最近倒れる回数が増えていること。
花苗は家庭環境が芳しくなくクラスでも浮いていたが、実里に声をかけられて心が救われたこと。
花苗「だから私も・・。私は、何ができるのかな。実里のために、何ができるのかな」
せいらは答えます。
せいら「自分にできることを、すればいい。あなたが、できると思うことを」
花苗「・・・うん。そうだね。」
—
花苗は後日、1人で実里のお見舞いに行きます。
ですが、心は不安でいっぱいでした。
実里がいつ、また倒れるかも分からない。もう次はないのかもしれない。
病院の廊下で看護師に声をかけられます。
看護師「考えてくれた?助けたいんでしょう?・・・あの子、もうあんまり時間がないと思うんだけど」
花苗「・・・うん。」
看護師の正体はケルブレム。
その手には、『力(パワー)』のディアボロス・タロットがあります。
ケルブレム「どうするかは、あなた次第。」
花苗は、先日せいらに言われたことを思い出していました。
せいら「できることを、すればいい。」
—
せいらとあかり、それぞれの信念
この回では、あかりとせいらの考え方を言い合うシーンがあります。
せいら「別に、あなたが嫌いなわけじゃない。意味のないことをしたくない。」
あかり「意味は、あると思う。それが私の役目だと思ってるから」
せいら「私とは、相容れない」
あかり「どうして・・?」
せいら「それが私だから。」
あかりは正面を向いていますが、せいらは横を向いています。
向き合わなかったのは、単純にせいらの性格でしょうか?
また、このシーンで2人の距離が気になります。
噴水の端と端。かなり離れています。
それぞれの信念は、今はまだ、分かりあうことはできませんでした。
vs『星のダエモニア』
あかりと会話した直後、実里から「花苗と一昨日から全く連絡がとれない」と連絡が入ります。
と同時にダエモニアの警報音が鳴り響きます。
急いで任務に向かう、せいらたち4人。
『星のダエモニア』が目の前に出現しますが、その形状はかなり特徴的でした。
両手には星のモチーフがあしらわれた髪飾り。せいらがよく知っている髪飾りでした。
花苗だ。
せいらはすぐに思ったはずです。
どうして花苗が。
水晶の矢はダエモニアを避けるように通り過ぎ、3人はすぐにせいらの異変に気づきます。
あかり「友達なんだね。せいらの」
せいら「・・・」
あかり「今、せいらの名前を呼んでる」
急なことで、踏ん切りがつかないせいら。
あかり「今話さなかったら、後悔する」
一時のためらい。
せいらはあかりの能力を受け入れ、声を聴くことを選択します。
託された髪飾り
花苗「・・・やっぱり、せいらだったんだ」
せいら「どうして!?」
花苗「私には、実里の手術に出せるお金はないし、あげられるものが、何もなかったから」
せいら「だからって、こんな・・!」
悪魔に魂を売ったことを、正直に答える花苗。
残された時間もなく、花苗はせいらにひとつだけ願いを託します。
花苗「実里に、よろしくね」
せいらの手には、花苗が身に着けていた星の髪飾りがありました。
—
ぎんか、るなで動きを止めた『星のダエモニア』。
せいらにとどめを促しますが、相手が花苗と分かっているせいらは撃つことができません。
逆に縛りが解け、せいらは攻撃によるダメージを受けしまいます。
太陽あかりの覚悟
あかりはせいらの現状を非難します。
あかり「私たちには、声を聴いた義務がある!声を聞いたら殲滅できないなんて、それは、覚悟が足りないよ!!」
せいら「あかり・・・!」
あかり「私たちは彼女の声を聴いた。だからこそ!」
あかりの攻撃により露出したディアボロス・タロット。
あかり「せいら!!!」
せいらは立ち上がり、弓を構え、狙いを定めます。
せいら「友達のために・・・。私ができること・・・!」
一本の水晶の矢。
せいらは見事ディアボロス・タロットを撃ち抜き、ダエモニアを消滅させることに成功します。
—
—
翌日、せいらは実里のお見舞いに行き、託された髪飾りを実里に手渡します。
せいら「持っててほしい。花苗のものだから。」
実里「花苗・・? よくわからないけど、ありがとう」
実里は花苗の記憶は消されていますが、髪飾りを快く受け取ったのでした。
—
あかりの過去と、せいらの慟哭
お見舞いから帰ってきたせいらは、セフィロ・フィオーレの庭にいるあかりに呼びかけます。
あかりとせいらは、ここではじめて隣同士で座ります。
あかり「あたしの従姉妹、ダエモニアになったの。どうしてかは分からない。もう知ることはできないんだ。あたしが・・・冬菜を・・・。」
あかり「・・・せいらはせいらの考えがあると思うけど、でも、あたしにとって声を聴くことは、とても大事なことだから・・・。」
あかりに能力が備わっているからと言って、声を聴くことに注力している理由。
ただ単にダエモニアに寄り添っているのではないと、せいらは理解しました。
そして自分と同じようにダエモニアに大切な人を奪われた事実も知ることで、せいらも自然と口から言葉が出てきました。
せいら「憎むしかなかった。」
せいら「殲滅して、殲滅して・・・余計なことは、考えないようにした。ダエモニアになるのが悪い。そう思えば、楽になれた。友達の仇を討ちたかった。毎回その気持ちで戦った。そんなことしても、真美は帰ってこないのに・・・。
でも、花苗のことは、憎めなかった。やっぱりダエモニアが憎い。花苗や真美を、大切な人を奪っていく。覚悟がなかったのは私だ・・・!
せいら「恐かった。自分の中の、何かが壊れるのが。声を聞いたら、真美を裏切ることになる気がして・・!」
せいらが落ち着くまで、あかりはせいらの肩を抱き寄せてずっと耳を傾けていました。
ダエモニアと戦う前の二人の距離は噴水の端と端。
庭のベンチに座った時点では1人分の隙間。
せいらの話を聞き終わったときは、あかりはすぐ隣にいます。
この物理的な距離感が、あかりとせいらの心の距離を表しているのでしょう。
腹を割った話ができたことで、二人はお互いを信頼できるようになります。
7話に続く。
※当記事は、作中の画像を参考として引用しています。
参考画像等の著作権は「(C)sole;viola/Progetto 幻影太陽」 にすべて帰属します。
コメントを残す