episodioⅡ『血塗られた未来』

※当記事は、作中の画像を参考として引用しています。
参考画像等の著作権は「(C)sole;viola/Progetto 幻影太陽」 にすべて帰属します。

 

以降の話は個人的な感想・考え事がメインとなります。

幻影ヲ駆ケル太陽 episodioⅡ『血塗られた未来』あらすじ

セフィロ・フィオーレに連れてこられたあかりは、エティアから組織の存在や自分が「エレメンタルタロット」の使い手であることを聞かされる。困惑するあかりだったが、ひなたも同じ力を持っていたことを知り、覚悟を決める。あかりは新人部隊の仲間たち、せいら、ぎんか、るなと共にダエモニアに立ち向かう!

この話は、いわゆる説明回。
1話でなんやかんや色々とおいてけぼりな視聴者のために、聞き役のあかりさんを通して説明がされていきます。
世界観、用語、そしてダエモニアとの戦いやタロット使いの役割について。

また、並行して味方キャラクターの紹介や組織の力関係も伝えることで、”幻影ヲ駆ケル太陽”の大まかな設定の枠が見えてきます。
ある程度知識を伝えたうえで、新しい事件のはじまりで”引き”を作っています。

 

個人的推しシーン

新人部隊の登場

タロットカルテット(この名称は最終話の最後で決められた)。
各々のキャラの性格がはっきり分けられて好印象ですね。
全体に重く、シリアスなシーンが並ぶこの作品において、なかなか希少な賑やかなシーンです。
幻影好きな人の中でこのやり取りを覚えている人、かなり多いんじゃないでしょうか?

   

本編

夢の中にて

時刻は夕方でしょうか?
占いの館の一室で、まだ幼いあかりさんはひとり、積み木で遊んでいます。

何もかもわからない純粋な幼い記憶。
背が小さい分、余計に部屋が大きく見えます。

積み木で遊ぶあかりさんの表情は無。
心ここにあらずという感じです。

 

やっと聞こえた、ドアを開ける音。

太陽あかり
あ・・・!

手を止め、一目散に走るあかりさん。
先の無表情とは違い、目に輝きがあります。

太陽ひなた
あかり、ごめんね、遅くなって。

母・太陽ひなたはあかりさんをぎゅっと抱きしめ、あかりさんを安心させます。
しかしその腕には何かのキズ。血が流れるほど深いもので、さすがに心配するあかりさん。

 

太陽あかり/太陽ひなた

お母さん、そのキズ・・・。

大丈夫よ、あかり。大丈夫。

 

そう繰り返すひなたさんの声に、あかりさんはそれ以上何も言えません。

 

 

ポイント

この、ひなたさんが「大丈夫」と何度も伝えるシーン、逆に大丈夫じゃないことを暗示していますね。
とはいえ、あかりさんに「タロット使いとして生身で戦っている」と言えるわけもなく。

あかりさんもあかりさんでそれ以上追求しないことで、お互いを思いやっています。
優しさと不明瞭な現実への漠然とした不安を感じ取れるシーンです。

タロット使いの宿命は、言っても理解されない辛さというのもありますが
今回のケースはむしろ伝えてはいけないケースだと思いますので、ただ大丈夫だとしか話せないひなたさんの想いはつい心苦しくなってしまいます。

公式サイトより通販で販売されている『GENEI SERIES CHARACTER & ART BOOK』にはこの時間のことについて少し記載があります。

ひなたに愛された時間はあかりに優しさを与え、ひなたが亡くなってからの時間はあかりに強さを与えた。
それは実は、全てひなたの・・・そして同僚であったエティアの計算でもあった・・・。

どこまで想定されているかわかりませんが、どうやらこの時点では、あかりさんに『太陽』が継承されることを前提に、ことを運んでいるようです。
太陽が継承されるということは、同時にひなたさんの命が残り少ないことを示唆しています。

 

対ダエモニア殲滅組織『セフィロ・フィオーレ』

   

目を覚ますとベッドの上。視界には西洋風の趣のある一室。

商店街で見かけた綺麗な人。
名前はエティア・ヴィスコンティ。

占いの詳しい人なら、「ヴィスコンティ」という名前にニヤリとするかもしれません。
wikipediaの記事を引用します。

ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロットとは、
15世紀後半にミラノ公のフランチェスコ・スフォルツァなどが画家に描かせた、様々な博物館、図書館、そして世界中の個人コレクションに散らばる、約15デッキのタロットを総称したものである。

現存する最古のタロットとして知られ、現在標準とされているマルセイユ版とは絵柄などにかなりの違いが見られる。

 

15世紀の画家によって、1枚ずつ手書きで描かれた最古のタロットカード。
そのくらいの時期から続く家柄の人なんだ。
これだけ覚えていればいいかと。

 

エティアからの「お願い」

 

・火事の後、あかりさんを屋敷まで運んできたこと
・人間にトリつく悪霊:ダエモニアのこと
・それに対抗できる力:エレメンタルタロットのこと
・あかりさんの母である太陽ひなたがここに在籍していたこと

それぞれ順序だてて話していくエティアさん。

 

 

ダエモニアに対抗する手段を持つエレメンタルタロットに選ばれた使い手。
そのあかりさんに一緒に戦ってほしいと願い出るも、さすがに迷うあかりさん。
そりゃそうです。

でもエティアさんには秘策が。
「あなたの母はこう言っていました。”私たちが戦わなくて、誰がこの不幸を止められるのか”と。」

かつて母親が在籍していたことは、あかりさんにとってかなり衝撃的。
まさかお母さんがここに在籍していたなんて!

アリエルさんも続けます。
「お前はひなたの娘なんだろう?」

決意するあかりさん。

 

ポイント

説得はしつつも、エティアさんは諸手をあげて喜んでいたわけでもなく。
あかりさんの心にある、ひなたへの想いを利用し、タロット使いの宿命を背負わせることになるからです。

ラプラス:埋まったな。『太陽』の継承者が。
シュレディンガー:長かったニャ。これでもう犬死にさせずに済むニャ。
ラプラス:だが、引き続き監視は怠るな。

エティア:・・・はい。

この時点では原因はわかりませんが、言葉遣いで組織内での力関係が見えてきますね。
※ひなたが亡くなってから三回忌なので、『太陽』が再び覚醒するまでに3年かかっています。

 

いろいろ説明を受けていたあかりさんですが、一番気になったのは母親のことでしょうね。
使い手になる決め手になったのは、
人間に争いをけしかけてくるダエモニアをせん滅する正義感よりも、
幼い頃に亡くなってしまった母・太陽ひなたが向きあっていたものに触れていたい。
母との思い出をとても大事にしていることが分かります。
あかりさんはお母さんと同じ環境に身を置くことで、安心を得たかったのかもしれません。

 

また、ダエモニアのことについて1つ忘れがちなものが。
ダエモニアとの関係は契約上のことなので、「願いは必ず叶える」というルール。
リスクとリターンが割に合わないこともありますが、紳士的というか、不意打ちは無いものとしています。

 

使った覚えのない、黒いノート

セフィロ・フィオーレの施設へ引っ越しをするため、荷物をまとめるあかりさん。
その中には、買った覚えのない黒いノートが。

 

このくだりは”幻影ヲ駆ケル太陽”的には必須事項。
なぜなら冬菜と思い出のノートだから。
ちなみに、過去あかりさんが冬菜との買い物で勧めたものになります。

 

星河せいら、白金ぎんか、月詠るな

   

新人部隊の3人。
新規加入のあかりさんの話をしている。

ルールに厳しそうな星河せいらちゃん。
おおらかで人当たりのよさそうな白金ぎんかちゃん。
思い込みの強そうなお嬢様風、月詠るなちゃん。

それぞれ個性的な性格とセリフで、とてもわかりやすいキャラクター作りで良きですね。

 

 

あかりさんもあかりさんで、
母と同じ道を歩いていくことに、期待に胸を膨らませる。

太陽あかり
お母さんと同じ、ちから・・・。

しかしタロット使いの宿命というものを、この時のあかりさんは知る由もないのであった・・・。

 

夢の中の母

 

そよ風の吹く部屋の中、ついウトウトしてしまったあかりさん。
夢の中では母との再会するが、タロットに触らないように忠告される。
その言い方は強く、何か理由があってのものを感じる。

 

 

 

夢から覚めた夕方に、るなちゃんが食事に誘いに・・きていた。
鍵は開いたままになっていた様子。

 

ポイント

どうして呼びに来たのが人当たりのよさそうなぎんかちゃんではなく、るなちゃんなのか。
人当たりの良いぎんかが妥当なのでは?

太陽に寄り添うのが月だから?
というのは、さすがに短絡的か。

それと、なぜ勝手に横に寝たのか。ネットのどこかで見た意見として、
「一人で行動する子は新規の子に先輩風を吹いてしまうので、こんな突飛な行動ができるんだ」
というのがあって、なるほどそう・・・なのか?、とw
なかなか面白い心理、考察だと思いました。(※皮肉なし。理解もするし褒めている)

 

 

あらためて自己紹介も済ませ、夕食を囲む4人。
自然とタロット使いの話に。

白金ぎんか
ウチは小さい頃からタロットのこと聞かされてきたで?

るなちゃん、せいらちゃんも同じように聞かされてきたとのこと。
どうして自分は教えてもらえなかったんだろう。

白金ぎんか
危険やし、親心とちゃうか

 

 
太陽あかり
私も頑張って戦わなきゃ。人間が襲われるなんて大変なことだから。

しかし、みんなの反応はやや重く。
今のあかりにはダエモニアが何を媒介としているのか、知りませんでした。

 

あかりさんは明日から、セフィロ・フィオーレでの生活が始まります。

太陽あかり
お母さん。
あたしを守ってね。

 

   

国語、理科、体育、音楽・・・。
「組織から社会に出ても困らないように」というエティアさんの方針から、みんなと一緒に授業を受けるあかりさんたち。
担当の先生はおらず、みんなで得意分野で賄っている。
でもせいらちゃんには否定的なようで。

星河せいら
「組織から社会に出ることなんてあり得ないのに。。。こんなことは無駄」

そんな中、警報音が屋敷中に鳴り響き渡る。
驚くあかりさんと、立ち上がる3人。

 

ぎんかちゃんは珍しく真面目な顔ではっきりと伝える。

白金ぎんか
「任務や!」

 

 

初めての任務

   

セフィロ・フィオーレの専用施設、上昇機関を使い、ダエモニアの発生源へと向かう4人。

星河せいら
星よ、来い!
白金ぎんか
頼むで!節制っ!
月詠るな
月よ、お願い!
太陽あかり
これが・・・『太陽』の力・・・!

アストラルクスへの転移。1回きりの見せ場です。他のタロット使いも見てみたいですね。

 

 

到着するやいなや、無数の虫が襲い掛かってきます。協力し、順調に蹴散らしていく4人。
奥から巨大な虫のダエモニアが姿をあらわす。
速攻戦略。せいらちゃんとぎんかちゃんで怯ませ、るなちゃんの蔓でダエモニアの動きを封じる。
あかりが高くジャンプし、炎を纏い体重を乗せた勢いのある全力突き。

 

しかし。コア部分をこじ開けると目の前にはディアボロスタロット。
ダエモニアのタロットカードに突き刺す直前に、何かがあかりの脳裏をかすめる。

 

 

–黒い髪–眼鏡をかけた女の子-ふゆ・・・な–
一気に流れ込んでくる記憶。
すべてを思い出すあかりさん。

一瞬の精神の負荷に耐え切れず、あかりさんは気を失い逆位置(テネブライモード)が解除されてしまいました。
緊急事態に、るなちゃんが現実世界へ連れ戻します。

 

説明や解説が多いお話で、こういった戦闘シーンはテンポ良くて楽しいですね。

 

タロット使いの宿命

 

1話での一番の不明な点と思われる、記憶の改竄はエティアさんらが関わっていた。

医務室のベッドの上で聴かされる衝撃の事実。
普段声を荒げたりはしないあかりさんが、叫ぶ。

 

エティア
記憶を、改竄させていただきました。
あなたが初めて覚醒した時、従姉妹を殺してしまったショックから、ダエモニアに取り込まれるところでした。それを防ぐために

太陽あかり
どうして、そんな残酷なことをするんですか・・これじゃああたしは、冬菜を二度殺したのと同じじゃないですか!

 

ポイント

冬菜を2回も殺した?

①無意識に覚醒しての花のダエモニア撃破、
これは肉体的な死のこと。ただ思い出そうとすれば風化されることない。
大切な人を思い出し、また会うことができます。

②記憶改竄され、存在を忘れさせられる
2度目の死が、忘れられた時に訪れるのなら、それを強制的に改ざんさせられたことは2度殺されたとあかりさんは考えたのではないでしょうか。

 

また、ここでのエティアさんは、記憶改竄についての説明を淡々としますが、その冷静な口調に冷たい印象を受けます・・・・が、
あかりさんの正面から向けられた憤りに対する一瞬の目の動きに注目。

感情を殺しているような表現があります。
やはり傷つける結果になってしまった。と思っているのでしょう。

その結果を理解できているからこそ、ちゃんと説明することで真摯に向き合ったのではないかと感じられます。
あくまでもあかりさんのために、仕方なく。と。

 

決して伝えられない想い

 

冬菜が最初からいない世界。
あかりは改めて、縋るようにひなたのいる墓地に行きます。

ダエモニアを元に戻す方法はない。つまり、人を殺さなければ、ダエモニアは殺せない。
ダエモニアになった人間の経歴や人間関係、関わった記憶はこの世から消える。

自分が誰かから罪にとらわれることは永遠にない。
あかりさんは、かつてひなたが体験してきた辛さや寂しさの一部に初めて触れることに。

   

間の悪いことに、伯母がお墓参りに来ます。
冬菜の記憶も一切なく、冬菜の存在そのものが消えている。
冬菜のことが伝わらない。

 

 

嗚咽。

あかりさんがなんとか吐き出せる「ごめんなさい」の言葉。
あなたの娘を殺してしまいました。の意。

冬菜の母・心崎ゆきのさんにとっては、「せっかく学校に送りだしてくれたのに、そこから逃げてしまってごめんなさい」の意になる。

決して届かない想い。世界から切り離されたような感覚。
あかりさんはただ、涙を流しながら謝ることしかできませんでした。

話しても理解されないことが分かっているからこその、どうにもできないくやしさに
心を打たれます。

 

ダエモニアとの遭遇

   

伯母と別れた後、セフィロ・フィオーレにも戻ることもできず、港で途方に暮れるあかりさん。
そんな中、重いうめき声を聞く。

目をやると船の上で黒い影を纏う人間の姿。その人間は、船へ入ってきた親子を視界に入れます。
太い帆柱が不自然に折れ、親子の方へ。

画面は暗転。
帆柱が何かにぶつかった音だけが響く。

あかりさんがとった行動は・・・?

 

3話へ続く。

 

※当記事は、作中の画像を参考として引用しています。
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総括・考察

2話タイトル「血塗られた未来」とは、タロット使いの役割。
終わりのない未来を暗示してのタイトルだったのではないか。

とにかく世界観、人物紹介、敵と味方の説明があり、
1話の急展開への補足になっていますね。

タロットの中身についてはまた後ほど、という流れですが、
視聴者が置いてけぼりにされたものは、わりと丁寧に、エティアさんに説明してもらえたのではないかと思います。

 

記憶の改竄は、【世界】の能力?

あくまでも異能の能力を持っているのはエレメンタルタロットの使い手と思われます。
言及はないので確定ではありませんが、レグザリオに能力は持っておらず、何らかの理由でエティアさんの【世界】の能力を使わせているのではないか?

理由の一部に太陽ひなたの過去が影響している様子。
詳しくは小説・幻影ヲ駆ケル太陽~こぼれ散るは運命の砂~ での参照。※後ほど修正

 

エティアさんは詐欺師の技法を使った!?

あかりさんを説得する場面。

・あなたには資質がある
・あなたは私たちにとって必要な人間だ
・あなたの母親も(身近な人間も)一緒に戦っていた
・他に立ち向かえる人間はいない

私に、できるんでしょうか?(背中を押してほしい)

・あなたは太陽ひなたの娘だからできる。

本人にとって近しい人物、想像しやすい人物も行動に移していましたよ。という流れで話していますが、
これはマーケティングの一種。「クロージング」です。
顧客と契約を締結・成約するために相手の心理を動かし、自分で決めたように誘導する。

「頑張ってくるね、お母さんみたいに」
罪作りなエティアさん。。。

かといって、覚醒したばかりの太陽の使い手をそのまま放置するわけにもいかない。
あえてこうするしかなかったエティアさんの難しい立場が見え隠れします。

テネブライモード時の髪は、エネルギー体

テネブライモードという急激な変化に、新人部隊は何かしらの影響を受ける。
目がツリ目になったり髪のボリュームが増したり。・・・という設定があります。
しかし、世界に散らばる他の使い手、ベテラン勢はほとんど見た目は変わらないという設定も。

長くなびく髪の毛は画面が映えますが、その髪の毛は実体のないエネルギー体。
ということは今後、経験を重ねていくうちに髪の毛は短く、ツリ目は普段のパッチリとした目になっていくのでしょうか?
それはそれで寂しい・・・。

 

※当記事は、作中の画像を参考として引用しています。
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